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猿芝居 / 「日陰者の矜持」 CD

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※レーベル、バンド物販特典でレコーディング風景のドキュメンタリーDVDが100枚有り。

群馬県藤岡市発のハードパンク「猿芝居」。23年作10曲入りのサードアルバムがマレーシアのレーベル「BLACK KONFLIK」から発売!400枚プレス。

猿芝居のライブを初めて目撃したのは、ちょうど10年前の2013年4月、こまどり社(知らない人は調べてみてください)主催のイベント「まれびときたりて」@熊谷Blue Forestだった。
心に残る音楽体験は、一聴/一見してガッツリと掴まれるものと、後からじわじわとハマっていくものとに大別されるが、猿芝居に関しては完全に前者だった。初めてステージを観て直感的に(失礼を承知で言えば)三蔵法師一行のようだと感じた。その趣きは、どことなく「楽団」といった風で、それまで私が見聞きしてきたハードコア・パンクバンドからは感じることがなかったものだ。優れたエンターテイメントの特長のひとつに「個々のキャラクターが立っている」があると考えているが、正に個々人の強烈な個性が調和と爆発を繰り返しているように思えた。不敵な笑みとニヒリスティックなふるまいのフロントマン古河スケキヨ、チンピラ的風貌ながらその実激しさのみならず優しさすら感じさせる森武伝リュウジのギター、妖女のごとくしかしストイックなパフォーマンスの波羅蜜多カイ、屋台骨をドッシリかつ飄々と支えるグッドバイヴス春山、四者四様の佇まいと絶妙なアンサンブルは怪しく突き抜けていて、その渦にノックアウトされたと記憶している。
個人的な話になるが、ノンジャンルやジャンルレスといった言葉や考え方を好んでいた時期を経て今は、特定のジャンルを標榜/志向しつつも、その内側のみならず、(図ると図らずに関わらず)外側にまで浸透して「しまう」力を持った音楽に対して、魅力を感じることが多くなってきていて、猿芝居もまさにそういった魅力を湛えたバンドであると思う。
出会いから約10年、同じ北関東を拠点に独自の音楽を追求している数少ない同志として、頻繁にとはいかずとも、ライブハウスで顔を合わせては、あくなき探究心と変化を恐れない姿勢に刺激を受け、その度「俺たちも頑張ろう」と素直に感じていた。



2020年のバンドとしての大きな、あまりにも大きすぎる困難を経て、古河スケキヨ、放下著ケンタ、魔子、グッドバイヴス春山、での新体制となってリリースされる本作。
スケキヨ氏の主宰する自主レーベルは「福音レコード」と銘打たれているが、本作の通奏低音として、受難を経た先の福音としての響きを見出すこともできるのではないか、そう感じた。
猿芝居の楽曲は、現代に生きる私たちが背負っていかねばならないであろう業や罪、欲望や絶望、虚無と激情、そういったものたちを直視し誤魔化すことなく(時に、敢えて下卑た言い回しもしながら)ストレートに表現している。表層的なレベルで歌詞や歌唱をなぞれば、それらは暗く陰鬱なイメージを伴ってもいるが、不思議とジメっとした手触りだけに留まらないスコーンと突き抜けるようないい意味での軽快さと、ある種の喜劇的エッセンスをも感じることができる。
日常生活の中からどうしても溢れてしまう違和感、負のエネルギーから発端を成したそれらを、破壊と構築を繰り返しながら歌詞にリズムにメロディにアンサンブルに、つまり音楽へと昇華させていく、その一連のプロセスそのものから当事者たちが感じうる感慨、それも「芸術」という営みが担う大切な一要素であると個人的には考えている。少なくとも私自身が音楽を志す理由のひとつはそれだ。

初見でのフロントマンのスケキヨ氏のステージングに対して「不敵でニヒリスティックな印象を持った」と前述したが、これは正確ではなかったと今では思っている。
そう、スケキヨ氏の笑みは、本当に音楽を心の底から楽しんでいるゆえだったのではないか。本作を聴き終えた後、過去を振り返り、そう感じ直した。

『日陰者の矜持』というタイトルそのものが、既に雄弁に内実を語ろうとしているが、そこで奏でられようとしているものは、自虐でも諦念でも耽楽でも短絡でもない「希望」であると断言したい。その「希望」は決して端正な体裁を整えてはいないかもしれない。解決や解放、治癒や快気等にただちにつながるものではないかもしれないし、そもそもがそういった目的性に基づいたものではないのかもしれない。思索の隘路からの慟哭のように感じられる部分もあるし、そういったある種の破滅的/内省的趣きも猿芝居の音楽の魅力の一つであるとは思うが、それでもなお、本作から溢れ出す/立ち昇るエネルギーは、諦観を超えた部分で、よりひらかれた、多くの人の心根の深いところで共振しうる可能性を帯びていると感じずにはいられない。
この文章を綴っている時点では、新体制でのライブは未見であるが、体験できる日を心から楽しみにしている。

"悲しみを超える何かが在る訳だ
だからこそ 信じているんだよ"
M3「信託」より

俺も、信じている。
新作発表、おめでとう。

河内伴理(てあしくちびる)

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EL ZINE Vol56のロングインタビューで表紙を飾った群馬県藤岡市拠点で活動を続ける猿芝居。混乱中の世にアルバムを立て続けにリリースし、小さな街から海外を含めシーンを震撼させた。そして今でも異常な日常が続く昨今、今回の作品はメンバーチェンジも経て猿芝居としても大きな転換期に作成された。しかしそれは無論猿芝居。スケキヨ氏のサイキックかつ鬼気迫るVo。ハードコアをベースとしているがリスナーとしての幅広い音楽性故にオルタナティブ、Post Punk的な要素も随所に忍ばせ一気に聴かせてくる。生きづらい世の中で日陰者へ捧げる詩。そして断言できる。彼らは全ての差別主義者を後ろから刺し殺す正真正銘のパンクである事を!

家電量販店中間管理職(48才)

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かっこいいからみなさん聴いてチョモランマ!

DIOXIN'S Ba 斬り澤亮

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ハード・コアの王道!!
懐かしさの中に
新しさを感じるSound!!
だから自然とVocalのメッセージが入ってくる!
凡人が声に出せない言葉を
Soundに合わせて絶叫(絶凶)しているのが凄く清々しい(!)
ハード・コアの進化系!
音故知新(!
是非、GIGを・目・で聴いて感じて欲しい!

takuji(ex.叫ぶ詩人の会)

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新生猿芝居の音源を聴いた。
正しく猿芝居のサウンドだった。
しかし、
言葉にかかる不穏さが増している。
この作品は音像版DDTである。

Daimon / DaimonOrchestra オカジマサトシ

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ハードコアパンク亜種による地獄絵巻。
いや、でもその地獄は私にとってニューウェーブでオルタネイティブな匂いが立ち込める未開の楽園でもあるのか。
次から次へと業を突きつけられるような歌詞とは裏腹に、色んな角度から飛んでくるリフに好奇心が止まらずついつい奥へと進んでしまい、気がつけば深みにハマっている。
ん?やはり地獄か。
初めてパンクを聴こうとする奴が間違ってこの地獄を手に取ってしまう事を切に願う。

Ataraw (GROUNDCOVER.)

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群馬県は藤岡シティーハードコア猿芝居の最新アルバム「日陰者の矜持」リリース!

今迄の作品もそうだが、彼等の音源作品には毎回明確なコンセプトを感じる。
製作者の意図を、作品を手にした人間が感じ取る事が出来るのは、彼等の大きな魅力だと思う。
まだ正確な曲順を把握していないが、ジャケットのアートワークを含め、今回の「矜持」に関しても間違いなくそうした流れを持った「アルバム」に完成するだろう!

自由度の高い楽曲は今作も健在で、特に多彩なリフは、ただ「なんでもアリっしょ~」と適当にぶち混まれた耳障りの良いだけのフレーズとは違い、作曲者の古川スケキヨ氏の音楽に対する探求心と、それをパンクと言う"思想"で以て、媚びた色物感も出さず楽曲として昇華している。
ジャンルとしての様式美などクソの役にも立たないと証明する、まさに思想音楽の教本だ!

また、今作の楽曲は特に強い言葉で歌詞が書かれている。
今迄の作品では他人からの不遇な扱いに対する嘆きや自分に対した戒めの様な印象が強かったが、今回の作品ではそこに強い否定も込められてるように思う。
日陰者としての自己定義に答えを見つけた人間の歌を聞け!!!
とは言え、オマージュも散りばめられ、楽曲とシンクロしたメロディアス且つユーモラスなボーカルは、爽快感さえ感じる不思議な猿芝居ワールドだ!
聴く人間を選ぶ様な歌では無いと、個人的にはそう思う。

これだけ長く書けば最後まで誰も読まないでしょ!(笑)
稚拙な文章になっているだろうから、それについては申し訳ない限りだが、ファスト映画野郎は最初の数行チラ見して終わりだろうからせやねーべ。
グラシャス!

ixtab とし

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癖が強いのにストレート、王道なのに変態的、イかれてれるのに心地よい。なにこれ。

Immortal Sense 黒澤雅俊

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明後日の方向への憶測も誤解の余地もないだろう。
なにせ「日陰者の矜持」である。

その声、佇まい。髪と髭と影を靡かせ、世も人も見透かして御座るかの様に飄々と、時に淡々と核心を突く歌い手。
危うさを纏った怪しさを放つ群馬孤高の日陰者は未舗装の砂利道を好んで歩く。
其処を往く自分とその足跡を俯瞰で捉え素直に愛せるからだろう。
望まざるして落ちた孤独とは違い、自ら選んだ孤独とその自覚にこそ其れらを伝えるリリックには漸く説得力が帯びる。

釈迦に説法であろうが、まず自分に課す「かくあるべし」はパンクのタブーではない。何故ならそれは押し付けではないからだ。
それは矜持だからだ。
そしてそれは彼らの思想の途、その延長線上に交差する誰かの目に触れ耳に刺さる。
そしてそれは巡り巡って私とも交錯した。
今作を聴きながら音の中を往くその言葉に耳を欹て、ある種の親近感を感じながら私はある詞を思い出す訳です。

「逆行と遠回りを重ねて見えた景色 光差す場所には映らない陰を語り
自己主張に怯えず、自己満足で終わらず
名を上げずとも音を上げない強情な同志
理想を求め歩くオマエの孤独が俺には解る」

PROLETARIART / G.o.law56

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